個人事業主及び法人の税務情報

船橋市 税理士 [法人とその役員の間で金銭の貸借があった場合]

役員が自分の会社から金銭を借りたり自分の会社へ金銭を貸した時はどのような課税関係が生じるのか考えてみたいと思います。

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(1)自分の会社から金銭を借りたときの税金
社長その他役員が会社から金銭を借りる場合は,会社法上の利益相反取引に該当しますので,取締役会の承認を受け,取締役会議事録を作成することが必要です。
また,金銭消費貸借契約書を作成し,利率や返済方法等を明らかにしなければなりません。その際の利率は,原則として基準割引借入率および基準貸付利率に4%を加算した利率です。

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会社は利益の追求を目的とする営利法人ですから,その取引について経済性や合理性が必要です。会社が無利息で金銭を貸し付けるという経済行為には合理性を見出せません。

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ですから,もし会社から役員に対して,無利息あるいは通常の利率よりも低い利率で貸し付けた場合には,通常の利息相当額と実際に徴収した利息との差額が,その役員が受けた経済的利益として認定課税されることになります。 通常の利息相当額を計算する際に適用される利率が,基準割引率および基準貸付利率に4%を加算した利率とされているものです。(基準割引率および基準貸付利率は,貸付を行った年の前年11月30日時点のものが適用されます。)

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ただし,会社が他から借入れして役員に貸し付けた場合は,その他から借り入れをした時の利率によります。

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(2)自分の会社へ金銭を貸したときの税金
役員が会社へ金銭を貸すときは利息をもらわなくても課税上問題になりません。 会社は利益の追求を目的とする営利法人であるのに対し,個人は必ずしも利益追求だけを目的として行動しているわけではないという考え方からきています。

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ただし会社に多額なお金を常時無利息で貸付けておくなど目立つ場合には,所得税法第157条の「所得税の負担を不当に減少させる結果になると認められる場合」に該当するとして更正されたケースもあり注意が必要です。

千葉県船橋市の税理士 長谷知之

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