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長谷税務会計事務所
不動産業務15年の税理士
(北習志野 徒歩3分の事務所です)
中小法人に適用される800万円以下の法人所得に適用される軽減税率の特例(19%ではなく15%を適用)は、平成29年3月31日まで延長されます。
従業員の福利厚生費について何がどこまで税務上の損金として認められるのか、あるいは計上の際の注意点についてよく質問を受けます。実務上は会社の実情に合わせて判断していくのですがここでは一般論としての通説を述べたいと思います。
(1)従業員の慰安旅行
①現地滞在日数4泊5日以内(海外の場合,目的地における滞在日数によります)
②全従業員等の50%以上が参加
という2つの条件を満たせば基本的には給与課税されません。ただし会社の負担が高額であれば福利厚生費であると主張しても、税務上は従業員に賞与を支給しその賞与で従業員が旅行へ行ったのと同様であると見なされ、給与所得としての取扱いを受ける場合があります。
「高額」に関しては明確な基準はありませんが,会社の負担額が10万円を超える場合は要注意といえます。
(2)従業員のレクリエーション費用
専ら従業員の慰安のために行われる運動会・演芸会・旅行等のために通常要する費用は交際費から除くこととされています。この場合「専ら従業員のために」ということと「通常要する費用」ということが税務上問題となります。
①「専ら従業員のために」とは
役職者だけを対象とした新年会・忘年会・慰安旅行などは福利厚生費となるレクリエーションに該当せず、幹部だけの親睦を目的としたものとして交際費として取り扱われます。役員だけを対象とした慰安旅行などは、役員に与えた経済的利益として役員給与あるいは役員賞与とされる場合があります。
従業員を対象とするレクリエーションは、会社の規模によって必ずしも同一の時期に同一の方法で行われるとは限りません。しかし全従業員にそれぞれが所属する部課の催しに参加する機会が与えられていればよく、各部課ごとの業務慰労会も専らその部課に属する全従業員を対象としたものであれば福利厚生費となります。
②「通常要する費用」とは
「通常要する費用」の程度は常識で判断すべきで、専ら従業員を対象にしていても料亭で豪華な遊興をする等「通常要する費用」の範囲を超えるものは,交際費となります。
ただし行事に参加しなかった役員・社員にその参加に代えて金銭を支給する場合はその支給額が給与課税されます。
レクリエーションで行った大会等の賞品の負担を会社が行う場合は、5000円程度の低額の物であれば課税される可能性は少ないと思われます。ただし低額であっても金銭で支給した場合や換金性の高い商品券で支給した場合などは給与課税されます。
千葉県船橋市の税理士 長谷知之