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長谷税務会計事務所
不動産業務15年の税理士
(北習志野 徒歩3分の事務所です)
中小法人に適用される800万円以下の法人所得に適用される軽減税率の特例(19%ではなく15%を適用)は、平成29年3月31日まで延長されます。
前回、法人成りのメリットとして2年間の消費税の免除を解説しましたが、今回は家族への給料の支払いをした場合の違いについて解説したいと思います。
まず個人事業主の場合、家族への給料の支払いは原則的に経費にすることはできません。 ただし青色申告者の場合は青色事業専従者給与の届出を提出することにより必要経費にすることができます。その場合の注意点としてはこちらに詳しく解説がありますのでご覧ください。
青色事業専従者給与の欠点を簡単に言うならばとにかく制約が多い、とうことではないでしょうか。 税務署に届け出た金額の範囲内でなければならないとか、未払いが長期間あるようだと否認されてしまうとか、給料の支払いを事業の状況に応じて弾力的に決められないことが最大の欠点です。
この点、法人であれば固定給であろうと歩合給であろうと、その家族が法人の役員でない限り自由に決めることができます。
また個人事業主の形態であっても法人の形態であっても、支払った給与の額が勤務の実態に合わせた適正な給与の額の範囲内でなければならないことは言うまでもないですが、 一般的には青色事業専従者の適正給与は法人が支払う給与に比べ低額な解釈がなされることが通常です。
一般的な個人事業主の経理担当程度の業務であれば1か月20万円~30万円が限界と思われます。この金額以上の青色事業専従者給与であれば、その金額が勤務の実態に応じた適正額であることの合理的な説明が必要と思われます。
ただし法人が支払う家族従業員への給料の支払いについて注意しなければならない重要なことがあります。 法人税にはみなし役員という規定があって、たとえ会社法上の役員ではなくても一定の場合は法人税法上の役員に該当すると判断する場合があります。
家族従業員がみなし役員に該当する場合は、会社法上の役員と同様に定期同額給与等の規定の適用を受けることになります。 簡単に言うならば、給与をあらかじめ決められた一定額の支払いとしなければならず、決算が近づいてきたからといって給与の額を増やしたり賞与を支払ったりすることができません。
ではみなし役員と判断される基準はどのようなものかと言いますと、
①その使用人の会社の所有割合が一定の割合に達しているということ。
②法人の経営に従事していること。
となります。 これらはもうケースバイケースなのでその都度税理士に相談して下さい。
千葉県船橋市の税理士 長谷知之