こんにちは。
今日は固定資産税に関するお話です。
よく家屋を取り壊して土地を更地にすると固定資産税が6倍になるという話があります。
それを根拠に古い家屋を取り壊さずに古屋付きで土地の売却をするケースがあるようです。
このことについて不動産業者の観点から考察してみたいと思います。
まず、固定資産税が6倍になるというのは住宅用地として供されている土地に関する部分のみです。(だから店舗用地にはこの話は関係ありません。)
それも200㎡以下の土地が対象になります。
200㎡を超えるとその部分の固定資産税は3倍になるということになります。
家屋は取り壊すわけですから、固定資産税の負担はなくなります。
その意味で固定資産税の年税額が単純に6倍になるということはないはずです。
固定資産税の年税額が10万円(土地の固定資産税が6万円、家屋の固定資産税が4万円)ならば、
6万円×6-4万円=32万円となるのであって、10万円×6=60万円ということではないです。家屋の固定資産税の割合が大きければ3~4倍といったところでしょうか。
次に更地と古屋付きの売地の売りやすさの比較なのですが、極まれに「古屋があったほうが、家を新築した時のイメージがつきやすい」と考えている人もいるようです。
しかし私の経験上、圧倒的に更地のほうが早期に売買契約できる可能性が高いと思われます。
最近はCADソフトの性能も良くなり、更地に家を建てた時のイメージを3次元的に描写できるソフトも多くなりました。
売り主の方には申し訳ないですが、古屋があると土地の印象が悪くなるほうが多いと思われます。解体費を買主の方に負担させるとそれだけ資金繰りが厳しくなり、自己資金や融資といった資金調達が困難になります。
決して相場が上がってきているとは言えない近年の状況で、売り物件を長く抱えているということはそれだけ資産価値が目減していくことになります。
固定資産税の増額があったとしても、古屋を解体して更地にし、土地を早期に売却したほうが結果的に良い結果が得られると私は考えています。